読書と料理と映画と・・・


 今日から猛暑復活だそうです。 もう若くはないので「負けるもんか」ではなく「避ける」「逃げる」方法で対処していきたいと思いますね。
 私は暑さは苦手だし、フットワークも悪いので、仕事に出る以外はほとんど家で過ごします。
 ですが、(8月)1日だけは映画デーだったので「終戦のエンペラー」を観にいきました。
 よく目にした戦後のGHQ本部でのマッカーサーと昭和天皇の写真がありますが、天皇があの写真撮影に至るまでの・・・戦争責任と天皇との関わりを実証したいアメリカと現人神を裁判にかけるわけには死んでもいかない日本側との攻防の真実ですね。
 結局、アメリカ側は天皇責任を追及し国内をより混乱させるより、天皇を象徴として国をまとめる策をとったので現在の天皇制維持につながるわけですが・・・。戦勝国司令官マッカーサーに宮内庁の次官・今は亡き夏八木勲さんが演じてましたが・・・「陛下に直接触れてはなりません」とか「陛下の影は絶対に踏まないでいただきたい」とか、アメリカからすれば「はあ?なんだべ」でしたでしょうね~。と同時に、この廃墟の国土で飢えてるなかで一歩も引かない天皇に対する誇りはなんだ?とも思ったかも。 敗戦国日本がアメリカに誇る唯一の誇りであり守らなければならないものだったのでしょう。
 トミーリージョーンズのマッカーサーはとても似せていたのですが、私はどうにもこうにもあのコーヒーのCMがちらついてしまって・・「地球という惑星には・・」ってやつですね。笑ってしまいそうになりました。

 話しがとんでしまいますが・・生まれ変わったはずの日本でこれだけ天皇、ひいては皇室に隔たりを感じるのは日本だけなのではないでしょうか? 英国の重厚な歴史の中にも生まれてきた新しい息吹、あの清々しさが日本の皇室にないのは本当に残念ですね。 っと、硬いことを書いているうちに・・・私はこれから午後仕事でした。また続きは・・・夜。 とりあえず・・・いってきま~す。

 
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なんか今日は飛ばしますが・・・次は読書です、ハイ。
 読みました、鷺沢 萌「さいはての二人」。とっても繊細な文を書く作家さんだったのですね。
 主人公、美亜はいわゆる家庭というものを知らずに育った女優の卵。在籍劇団が潰れてスナックで働きだしてそこで出会った「宮本」という男。宮本と呼ばれたり、まっちゃんと呼ばれたり・・何者? 実は朴一旭(パク イルツク)という名の在日朝鮮人。「この男は・・・あたしだ」お互い居場所のない者同士は同じ匂いを嗅ぎあいながら引き寄せあうものなのか? 家庭を知らず、平凡な家庭を築くことを夢見た美亜とパクイルツクの重大な秘密。彼は広島で原爆に被災した母から生まれた被爆2世だった。

 美亜は思う。生まれた時からお金持ちだった人はお金に振り回されない。高い教育を受けた人に限って、学位なんかにとらわれない。持ったことがないもの知らないもの、見たことのないもの・・・人が貪欲に求める対象はいつだってそんなものだ。
 結局パクイルツクは白血病で死に美亜がいちばん欲しかった平凡な家庭というものはまたするりと逃げた。 二人は未来なき「さいはての二人」だったのだ。
 自殺してしまった鷺沢 萌さんは何を求めて何が手に入らず、何に悲嘆し人生を終えてしまったのだろう? と思わず考えさせられた1冊でした。

 お料理は・・・また次回にまわそう(汗) Mさん(名指し?) 冷房の中真夏の読書はなかなか良かよ~。
by hyokkorijima | 2013-08-07 11:24
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